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危険運転致死傷罪の基準(9)

 投稿者:解法者  投稿日:2012年 3月13日(火)10時29分2秒
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   被告人は第二審の判決を不服として上告した。
 最高裁判所は平成23年(2011年)10月31日に、被告の上告を退けるという決定(ここでは「判決」という)を下した。その結果、第二審(福岡高等裁判所)の判決〔懲役20年〕が確定した(讀賣新聞 2011年〔平成23年〕11月3日〔木〕 朝刊 東京14版 1・35・36面)。
 争点はこれまで指摘したとおり【アルコ-ルの影響により正常な運転が困難】とは何か、である。判決はこれについて、① 事故の態様、② 事故前の飲酒量や酔いの程度、③ 事故前の運転状況、④ 事故後の言動、⑤ 飲酒検知結果、などを総合的に考慮すべきだと指摘し、これを前提に(1)被告は相当程度の酩酊状態にあった。〈1〉事故前に、自宅や2軒の飲食店で焼酎ロックを合計8,9杯のほか、ブランデ-やビ-ルを飲酒していた。〈2〉事故前の運転中も、同乗者から普段と違う運転であることを指摘されていた。(2)被告は時速100キロで高速走行していたにもかかわらず、8秒程度、被害車両の存在を認識していなかった理由は、〈1〉始終前方を見ていなかったか、〈2〉前方を見ても被害車両を認識することができない状態だったか、のいずれかであるが、〈1〉だとしても約8秒もの長い間、特段の理由もなく前方を見ないまま危険な運転を継続したということになり、通常考えがたい異常な状態で走行していたというほかない。したがって、被告は、飲酒酩酊により、そのような状態だったと認定するのが相当である。(3)「アルコ-ルの影響により正常な運転が困難」とは、アルコ-ルの影響による前方不注意で危険を的確に把握して対処することができない状態も、これに当たる。被告はアルコ-ルの影響により正常な運転が困難な状態で自車を走行させ、人を死傷させたというべきである。と判断した。そして、原審(第二審〔福岡高等裁判所〕の「危険運転致死傷罪」の成立を認めた判決〔懲役20年〕)は相当だと認めた。
 
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