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2009年7月5日(日)、大阪のパチンコ店で若い男がガソリンをまいて放火し、4名が死亡したという。この件を思うにつけ、以前から「放火殺人罪」の新設をと運動されてきたにもかかわらず「国会議員」の<怠慢>で今もって本罪の新設が実現してない。「国会議員」は何のために存在しているのかと疑問に思う。
放火して人を死に至らしめたときは死刑になる可能性がある。それは「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物・・・を焼毀した者は、死刑又は無期懲役若しくは5年以上の懲役に処する」(刑法第108条)と定められているからである。しかし、死刑はおろか無期懲役に処せられることはまずない。放火して人を殺害すれば殺人罪も適用される場合がある。この場合は「死刑又は無期懲役若しくは3年以上の懲役」ということになる(同法第199条)。
ところが、放火の場合に殺人罪が適用されるには「殺害の故意」が必要である。したがって、放火したが殺害する意思はなかったということになれば「殺人罪」が適用されることはない。加えて、「現住建造物等放火罪」(刑法第108条)にしても、犯罪者が「人が住んでいるとは思わなかった」と言い訳すれば、「非現住建造物等放火罪」(刑法第109条1項)となり、「2年以上の有期懲役」のみで済むことが起こり得る。
一方、「強盗殺人罪」では「強盗が、人を死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する」(刑法第240条)と定めている。
放火して人を死亡させたときには「2年以上の有期懲役」に終わる可能性があるの対し、強盗して人を死亡させたときには「死刑又は無期懲役」である。極めて<不均衡>である。つまり、「強盗殺人罪」が「死刑又は無期懲役」であるのは<生命・身体の安全を特に保護する>趣旨にある(大審院昭和6年10月29日判決〔大審院刑事判決集10巻511頁〕)。ならば、「強盗して人を死に至らしめる」のも「放火して人を死に至らしめる」のも同じで
ある。放火殺人の場合も強盗殺人の場合と同じく『放火の機会に於ては、致死傷の如き凄惨なる行為の伴うこと少なからず、其の害悪や洵に怖るべきものなるが故に刑法が特に放火罪の加重情状を認めたもの』(前記判例を「放火殺人」に置き換えた)と言えるのではなかろうか。
したがって「放火して人を死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する」という「放火殺人罪」の新設を強く願うものである。こうすれば、「現に人が住んでいようがいまいと」また「殺害の意思があろうとあるまいと」、現住の有無および放火犯の意思に関係なく法の適用が可能になるのである。なお、人を負傷させたときは強盗致傷と同じく「無期または7年以上の懲役」でよい。
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